ダッチオーブンは、酸化被膜(四酸化三鉄Fe3O4)が厚くなって、
どんどん深みのある黒になり、
「ブラックポット」になる・・・。
ほんとかなぁ。
確かに四酸化三鉄は黒い。
砂鉄(磁鉄鉱が砕けた粒子)の主成分だから。
しかし鉄の表面で、空気中の酸素が鉄と、
そう簡単に反応できるわけがない。
黒皮鉄板は、1000℃以上に加熱して表面に四酸化三鉄の被膜をつくる。
ガスや焚火でその温度が実現しているとはとても思えません。
それに、油を塗って酸素を遮断したら、鉄はそれ以上、酸化できないし、
そもそも酸化被膜ができた段階で、それ以上の空気酸化が起きるはずがない。
「炭化鉄ができているんだ」という「説」も見つけたけど、
炭化鉄はその名のイメージとは逆に、白い。
白銑鉄・・・だったかな。
調べたけどよくわからん(違ってたらゴメンなさい!!)。
・・・じゃあ、「ブラックポット」って何だろう。
私は、油汚れが徹底的に焦げ付いたもの!!・・・じゃないかと考えます。
そしてそれが徐々に炭化して固い炭素の層になったものじゃないかと。
オリーブオイルに限らず、食用油の主成分は脂肪酸トリグリセリドだから、
加熱を繰り返せば、徐々に炭化して単体の炭素(不定形炭素)になります。
炭素の単体には、極めて丈夫なカーボン繊維だってあるんだから、
丈夫でキレイなオコゲ(!?)もできてもおかしくない!?
それに、西部開拓時代の男たちが、めんどくさいメンテをしていたはずもない。
ダッチオーブンで硬い肉を煮込んて、玉ねぎ、トマト、豆、ピメントを加え、
食べながら何日も加熱を繰り返すアメリカ料理、
チリ。
最初は赤さびが浮いてきただろうけど、
貧血防止の鉄分補給になるから、もちろんそのまま食べ続ける。
そして肉の油などでギトギトになって、
かつ、焦がしちゃったりしてさらに油が表面に馴染みやすくなる。
・・・・・・
そうやってブラックポットができたんじゃないのかなぁ。
そう考えると、ダッチオーブンのお手入れも気が楽です。
きれいにしすぎることがまずい。
テキトー(最も適当、適切)に、イイカゲン(良い加減)に・・・。
そもそもダッチオーブンの材料である鋳鉄(キャストアイアン)は、
炭素やケイ素、マンガン等の不純物を含み、
展性・延性は悪いけれど,
融点が低く流動性がよくてサラサラになるから鋳造しやすい。
つまり鍋などをつくりやすい。
鋳型がいい加減でバリができたって、そのまま出荷。
日本と違って大した問題にはならない。
だから、ジョゼフ・ロッジさんは、
決して様々な鋼材と比較してから鋳鉄で鍋をつくったんじゃなくて、
つくりやすかったから、キャストアイアンを使った。
西部開拓期に、安く多量に供給しやすい、
お手軽な調理器具としてつくられたんだと思います。
油ギトギトのままで使い続ければ、
ほぼメンテナンスフリーの鍋ってことですよね、きっと。
自分のダッチオーブンを、
完璧な「ブラックポット」にしていない私が言うのは、
おこがましいかもしれませんが…。
ご不快に思われた方がいらっしゃったら
ごめんなさい!!
・・・なお、食用油を使って長時間しまっておくと、
酸化した油になって体に悪い・・・なんていう記述もありますが、
使用前にその酸化した油を、新しい油でふき取りましょう。
たぶんそれで大丈夫じゃないかなぁ・・・。
ご訪問ありがとうございました!!