ルーフテントを積載するときの注意点 ~フットの高さとクリアランス&最大積載量~

eco2house

2017年07月24日 18:13


リンク先の記事 ルーフテントからの眺め 6. 内山牧場の朝焼け に、
HZJ76さんからコメントをいただきました。

ご質問の内容は、もしかすると、
他のランクル70乗りの方でルーフテントの購入をお考えの方にとっても
とても重要な価値のある情報になると思い、
ブログ記事に書かせていただくことにしました。

・・・ちなみに、ハンドルネームの「HZJ76」は、
お乗りになっているランドクルーザー70の形式番号ですよね。

再販前の70の、最終(最新)の形式です。

私の再販ランクル70の形式は、GRJ76K です。

あ、ちなみに70は、ナナジュウやナナゼロではなく、
「ナナマル」と読みます。

この辺のこだわりは、70、特に再販ではない、貴重な「旧車」の乗り手である方々の、
クルマとそのオーナーである自分に対する「誇り」ではないかと思うのです。

・・・ただ、これは、70という車種に特有の現象で、
200やプラドのオーナーの方々とは、ちょっと異なるのかもしれません。

そんな「ランクル70乗り」(ランドクルーザー70のオーナー)の方からの
ルーフテントに関するコメントをいただいたのは初めてなので、
とてもうれしかったです。

ありがとうございました。


これからいただいたコメントについて書かせていただきますが、
他の読み手の方たちにもわかりやすいように、
*で、私の注釈を入れました。

HZJ76さん、前置きがとっても長くなってしまい、
だるっこしいかもしれませんが、お許しください、




投稿していただいたコメントに少し手を入れて、こちらに転載させていただきます。

eco2house様
いつも楽しく拝見させて頂いております。
ありがとうございます。
私は2002式の丸目76(*1)乗りです。
ご教示頂きたいことがあります。
ルーフテント購入を検討しておりまして
eco2house様と同様にスーリーフット(*2)で行こうと思っております。
eco2house様は、フットは952(*3)で
スクエアバーの150cm(*4)を付けられているでよろしいでしょうか。
私はできるだけ低くコロンブスを載せたいので
フットを951でもいけるかなと思案中です。
推奨952であることは承知の上なんですが。
突然申し訳ございません。ご教示頂けましたら幸甚です。

*1. 「私は2002式の丸目76(*1)乗りです。」

ランクル70のヘッドライトは伝統的に丸かったのです。
それをランクル70乗りの方たちは、愛情と誇りををこめて、「丸目」と、呼んでいます。


私の再販ランクル70は残念ながら、「丸目」ではありません。


基本的に海外輸出仕様車を、日本の法規に合うような改造だけをして、
10か月間限定で再販したのです。

もともとは砂漠や鉱山での作業用のクルマです。

このへんのことは次の記事をご覧ください。
ランクル70 (1) ふたりの想い出づくりに ~頼りになるけど手のかかるヤツ~

また、「2001式」は、もちろん年式を示しておりますが、
ランクルは20年以上現役なのは当たり前で、
2000年式のランクル70に、状態の良いものだと300万円超の価格が付くこともよくあります。

「76乗り」とありますが、これはHZJ76さんがお乗りの70の車両形式がHZJ76・・・だからですよね!


*2. eco2house様と同様にスーリーフット(*2)で行こうと思っております。」

スーリーフットとは、キャリアバーを支えるスーリーキャリアの「足」のことです。



*3. eco2house様は、フットは952(*3)で・・・」

ランクル70に適合するスーリーのレインガーター(雨どい)を挟み込むタイプのフットは、
高さ15cmの TH951、高さ20cmのTH952、高さ28cmのTH953があります。

「私はできるだけ低くコロンブスを載せたいのでフットを951でもいけるかなと思案中です。
 推奨952であることは承知の上なんですが。
・・・と、HZJ76さんは、ルーフテント積載時の車高を抑えるため、推奨ではない高さ15cmの
TH951でも可能ではないかとお尋ねになっています。
なお、HZJ76さんも、おっしゃっている通り、メーカー推奨は952です。

この点が最も大切な点ですので、後に写真も用いて、私の考えを述べます。


*4. スクエアバーの150cm(*4)を付けられているでよろしいでしょうか。」

スーリーのキャリアバーには、
スクエアバー、プロフェッショナルバー、アルミエアロバー、ウィングバー、スライドバー
・・・などがあります。

スクエアバーは最も基本的で長期間、発売されているバーで、
ランクル70に適合しているのは、スクエアバーだけ。

下記のサイズがあります。

108cm(TH760)   120cm(TH761)   127cn(TH769)   135cm(TH762)   150cm(TH763)

私たちのコロンブスヴァリアントは、
幅145×長さ210cmのミディアム(大人2人+子供1人)です。

したがって、HZJ76さんのご指摘通り、使用しているスクエアバーは、
150cmのTH763となりました。

実は、ランクル70の前に、エスティマルシーダ、ノアと、
子供たちとともに動き回るファミリーカーを乗り継いできました。

特にルシーダはディーゼルの排ガス規制のため、泣く泣く手放したのですが、
第1期ファミリーキャンプを共に過ごした思い出深いクルマです。

(・・・でもこの頃、スキューバにもイレ込んでいた私は、
 本当は波打ち際まで入っていける4WDが欲しかったんだけど、
 子供たちとの思い出づくりを優先しました)

その時に使用していたルーフラックに、
スクエアバー・135cm(TH762)を使っていたものですから、
最初はコロンブスもミデイアムではなく、
幅130cmのカップルでいいかな・・・と考えていました。

これなら、既存のバー135cm(TH762)を買い替えずに済みます。

ところが、車幅の広いランクル70のルーフに載せるには、
カップルだと巾が狭くて、バランスが悪い。

しかもサイドに付属のアルミラダーを立てかける位置が内側に寄ってしまうので、
ランクルのルーフ本体にあたってしまう可能性がありました。

そこで、ここでケチッていてもしょうがないので、コロンブスをカップルではなく
ミディアムにして、バーも150cm(TH763)に買い替えることにしたのです。





さて、ここでHZJ76さんのコメントとは直接の関係はないのですが、

ルーフテントを積載する上で大切な注意点があります。

このスーリーキャリアの最大積載量は75kg。
コロンブスヴァリアントの重量は、約57kg!!

(「約」というのは、イタリアの職人による手作りのため、
 製品によってほんの少しではありますが「個性」が出るようです)

・・・ということは、就寝する人間の体重を加えたら、明らかに重量オーバー!!


そこで、いつもお世話になっているトヨタカローラの店長さんに相談して、
ボディに荷重のかかるフットの位置を、
荷重分散に最も適したバランスの場所に置くようにしました。

ピラー(ボディの「柱」)の真上は、荷重が集中して、かえってよくないそうです。

展開した時の、コロンブスシェル上面の斜面とフロントガラスの関係、リアの位置関係など、
もっとも美しくなる位置に積載することができたと思います。



それから、もうひとつ、検討したのは、バーの本数です。

オートホームのコロンブスヴァリアント輸入代理店
ZIFER JAPAN(ジファー・ジャパン)の飯田さんに相談したのですが、
「スーリー・スクエアバーなら、2本で十分です」・・・とのこと。


実は、私たちが最初に検討していたルーフテントは、
次の写真の、Zifer Italia(ジフェルイタリア)社マジョリーナのコピー(・・・と思われる中国製)でした。


国内の少なくとも3社は、ちょっとずつ異なる仕様の製品を、
それぞれ別の製品名で取り扱っておられますね。

Made in Italy の、本家マジョリーナ(通称・魔女さん)と比べると、圧倒的に安価なので、
ルーフテントを検討している方は、必ず候補に挙げていると思います。

しかし、そのうちの一つを実際に見た時、
テントの縫製のいい加減さなどに嫌気がさして、
ルーフテント自体をあきらめかけていた時に、「本家」の存在を知りました。

そこで、具体的な企業名・商品名はあげませんが、
本家イタリアのオートホーム製品と、
もっとも違っていた重要な点をお伝えしておきます。

それは、ルーフテント床の硬さ、剛性です。

中国製のルーフテント販社では、キャリアバーの3本設置を、
「推奨」・・・ではなく、「必須」としていました。

その理由がよくわかりました。

オートホームの「魔女さん」と比べると、私の感覚ではかなりやわらかい。
しかし、すべての販社の製品を確認したわけではないので、
ぜひ、ご自身で確認していただくことをお勧めします。

それに、キャリアバーを3本設置となると、
フットの位置の配置をどうやっても、
私にとっては、「美しくない」のです。

・・・とはいうものの、3本以上のキャリアバーをつけて
マジョリーナやコロンブスを使用している例も、あります。


バーの本数については、それぞれの使用状況などもあると思いますので、
最終的にはご自身で、ご判断ください。


さて、私たちはこの本家マジョリーナを、
展示即売会で購入する「覚悟」を決めて訪れたのですが、
会場でZIFER JAPANの飯田さんに、
別の理由で、「ランクルの場合、コロンブスヴァリアントのほうがいいのでは?」と提案されました。

理由は「魔女さん」の展開方法です。


この、本体付属のハンドルを回すのが、
ランクル70の場合は、その車高の高さゆえに、
できないことはないが、足場がないと、疲れる(ウチの彼女には届きません)・・・とのこと。

それに比べると、コロンブスは、フックをはずせば、
ガス圧ダンパーによって自動で開く構造ですから、圧倒的にラクチンです。
(マジョリーナにも、ガス圧ダンパーモデルはありますが、当然、価格は高くなります)


・・・・・


さて、長々と説明が続いてしまいました。


ここからが本番です!!

HZJ76さんのお尋ねに、答えさせていただきます。



結論を先に申し上げますと、
「フットの高さが5cm低いTH951を、使えないことはないが、使わないほうがいい。




でも、
私はできるだけ低くコロンブスを載せたいのでフットを951でもいけるかなと思案中です」
・・・という、HZJ76さんのお考え、よくわかります。

ECO2HOUSE(自宅)ガレージに入庫したときの、
コロンブスと天井のクリアランスを見てください。

まずフロントから。


リアから。


サイドから。


・・・ギリギリです。

ウチのランクル70+スーリーキャリア+ルーフテント・コロンブスヴァリアントの
「合計の車高」は、約245cm。

一般の立体駐車場の制限高は2m以下もあるから、はなからムリですが、
地下などの自走式駐車場でも、制限高は2m~2.5m。

ですから、私も、5cm下げられる高さ15cmのフットTH951を検討しました。


・・・しかし、相談したZIFER JAPANの飯田さんもトヨタカローラの店長さんも、
高さ15cmのTH961を用いるのはよくありません」と、
異口同音に指摘なさいました。

962でコロンブスを積載してみて、その理由がよくわかりました。

写真を見てください。

まず、先程のフットの写真です。
フット設置場所は、Bピラーのやや後ろ

ルーフが高くなっていない場所です。


次がルーフ後部のフットの写真です。
取り付け場所は、Cピラーのやや後部。


ランクル70のルーフは、後方が、ゆるやかにやや高くなっているので、
コロンブスとランクルルーフ上面とのクリアランスが
少し狭くなっていることがお分かりになると思います。


そこで、キャリアバーにコロンブスを設置した後の、
もっとも狭い部分のクリアランスを測ってみました。


ルーフのへこんでいる部分、つまりクリアランスがやや広くなっている部分でも、
たったの7cmほどしかありません。

これはフットの高さが20cmのTH952を使っている場合です。

つまり、これより5cm低いTH951を用いると、この部分のクリアランスはたったの2cm。

ZIFER JAPANの飯田さん
「高さ15cmの951で積載できないことはないと思いますが、
 この狭い空間で、ナットを確実に閉めて固定するのは、かなり困難です。

トヨタカローラ店の店長さん
「ルーフテントが積載されていると、ただでさえ洗車が困難になっています。いまより5cm低くなったら、
 手洗いでも、ルーフ上面の洗浄は、かなり難しくなります(=ほとんどムリ!!)。」

このような理由で、

「15cm高のフットTH961でもコロンブスを設置できないことはない(=かなり困難)、
 20cm高のTH962が標準になっている」

・・・ということなのです。


トヨタカローラ店でランクル70を点検・車検などをお願いした時、
必ず手洗いでピカピカに洗車してくれますが、
メカニック2人がかりで作業時間は、通常よりかなり長い、30分~40分以上かかっています。

理由を尋ねたところ、
「それはもちろん、ルーフテントの下が洗いにくいためです!!」・・・との、もっともなお答え。

私が自分でメンテする場合は、
ガラスコーティングを納車直後に施工したので、
雑巾がけだけですんでいますが、
あと5cm、クリアランスが小さかったら、それも難しいかと思います。



以上です。



HZJ76さん、長々とお付き合いくださり、
ありがとうございました。



ご訪問くださった皆さん、どうもありがとうございました。













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