ちなみに、クーラーボックスの保冷性は、
蓋の開閉回数とその時間に大きく左右されます。
そこで、私たちが考えているオルカクーラーの
使い方を定めておかないと意味がありません。
どんなに保冷機能が高くても、何度も長い時間、
蓋を開けていては、クーラーの意味がなくなるからです。
しかし、蓋を開けなければクーラーとして使用できない…
ある意味、クーラーボックスとは、
この相反する二つの方向性を持った、
矛盾性の高い道具…とも言えるのです。
私たちは、オルカの開閉は一日3回、
食事の時だけとし、
あとは既存のクーラー、
特に、サーモスのソフトクーラーを
併用することにしました。
飲み物や、果物などのちょっとしたものは、
車内に置いてあるここに入れて使います。
オルカは出発するときに
カーゴキャリアに積んで、
あとはキャンプ第1日、夕食のときまで
基本的には、開けません。
つまり、厳重にキャリアに
ベルトでキツく、タイダウンしてから、
軽トラ荷台用のラバーネット2枚を
二重に掛けて積載するため、
フィールドに到着して設営を始めるまで、
オルカクーラーの蓋は、
開けようがないのです。
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さて、ここで、オルカクーラーの
保冷時間検証試験の前に、
前記事で触れ損ねた
「ガス冷蔵庫の欠点」について
私が考えたことに、
触れておきたいと思います。
なぜなら、
ガス冷蔵庫なら、
ハイスペッククーラーより使い勝手が良い
と思うからです。
(でも、冷凍…という分野、
フィールドに持っていける、唯一無二の装備です!!)
ガス冷蔵庫は大正時代に、
スウェーデンで発明された原理の冷蔵庫で、
かつては、イワタニ、東京ガスなどでも
発売していました。
エレクトロラックスの輸入品
またはそのOEN製品みたいですが…
しかし、今は世界でも、
スウェーデンのドメティック
(製品名・コンビクール)と、
日本のベンチャーである、
セイルド・オンという神戸の会社
(製品名・エルロン 3way冷蔵庫 フロステル)
…の二社、それぞれ一つずつの製品しか、
発売していないと思われます。
つまり、圧倒的な
マイノリティーになってしまったのは
なぜなのか…
かつては、むしろメジャーな存在
…だったにも関わらず…。
ガス冷蔵庫であれば、保冷するのではなく、
冷却することができるという点で、
蓋の開け締め問題の矛盾はクリアできるかに
一見、思われますが、
しかし、別の面で、
私は、ガス冷蔵庫には
次のような漫然とした疑問、不安…がありました。
状態変化に使うエネルギー源が電流であるならば、
簡単にサーモスタットで調整することができます。
でも、ガス冷蔵庫ではどうなんだろう…??
電流の場合と同様に、冷却の具合を
細かくコントロールできるんだろうか…??
これは、カンパーニャ嬬恋キャンプ場で、
先輩ブロガーであり、
長期泊を行う上で必要不可欠な
ガス冷蔵庫ドメティックのユーザーでもある、
漫然としていた疑問を
はっきりと確認することができました。
ガス冷蔵庫の冷却力のコントロールは、
用いるガスの流量を
経験に基づいて
手動で調節するしかない。
…ということは、
冷やしすぎて、凍結させることは、
前提として受け入れる必要がある。
……。
伺ってみれば、当然の事でした。
そしてこの弱点こそ、ガス冷蔵庫が今、
マイノリティとなっていることの、
理由のひとつではないかと考えます。
食品の冷却は、
冷やせばいいというものではありません。
もちろん、冷凍食品や、
キンキンに冷やして構わない
ドリンク類は問題ありませんが、
食品の「冷蔵」では、
フレッシュな刺身や生肉を、凝固しないように
0℃~5℃で保存するのが理想です。
しかし、-50℃での急速冷凍ならいざ知らず、
ガス冷蔵庫の十分ではない冷却力で
時間がかかる冷凍処理をしたのでは、
細胞内の水の凝固がゆっくりと起きることで、
細胞破壊が起きてしまい、
「味が落ちる」のは明らか。
生マグロと冷凍マグロの違い
…と申し上げれば、
わかりやすいかと思います。
ただ、誤解のないように、確認しますが、
ガス冷蔵庫を否定しているのではありません。
アタリマエですが、その能力には限界があり、
つまり、使い分け…が必要なんだということです。
私たちのキャンプでは、
オルカクーラーに、最長で3日間、
庫内0℃キープをしてもらう計画です。
将来、長期泊が可能な状況になって、
ドメティックを仲間入りされられたら、
その役割は、冷凍食品と、
アイスクリーム(…は無理かな?)、
そして、カクテル用スピリッツ系アルコール
…の、氷点下キンキン冷凍保存!!
贅沢だなぁ!
でも、3日以上の長期泊を
真夏に行えるようになったら、
ぜひ実現したいと思っています。
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…というわけで、
オルカクーラーの使い方を
次のように設定しました。
(1) 一日2回(多くても3回)、蓋の開け閉めがある。
(2) 少数のハードタイプ保冷材は使うけれど、
メインは氷、または凍結させたドリンク類。
これには「保冷材の素性って何?」…という奥が深く、
また大いなる誤解が蔓延している(?)
問題があるのですが、
いまはスルーしておきます。
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…と思ったけど、でも、ちょこっとだけ
簡単に申し上げておこうかな。
(1)市販保冷材の主成分(95%内外)は、水である。
だから、氷や凍結したPETドリンク類を
保冷材に使うことには、
極めて高い合理性があります。
(2)冷却できる最低温度と保冷時間は関係ない。
「最強の保冷材」とは、
最低保冷温度である
…かのような見解が多いですが、
そのことと、「保冷温度が長い」
…という性能は、全く別の話です。
保冷時間の長短は、基本的には、
保冷剤の質量と、
一番の相関があるのですから。
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さて、…。
保冷剤に何を使うか…とか、
その大きさは?…とか、
クーラーを置くのはどこ??…とか、
いわゆる検証実験には
様々な条件設定が必要です。
そこで私は、めんどくさいから、
テキトウな量である、
冷却用クラッシュアイスを5Lほど、
オルカクーラー40に放り込んで、
炎天下になろうと雨が降ろうと、
2F南側テラスの定点に、放置。
8月11日から16日まで、
一日に2~3回、
蓋を開けて、写真を撮りました。
なお、氷の融点は0℃ですから、
屋外に放置して、
氷は融解し続けている状態ならば、
氷が存在し続ける限り、
その温度は、融点である0℃です。
ですから、温度の計測は行っていません。
「出かけられないお盆休み」の初日、
8月11日午前10時に、検証試験開始です。
なお、オルカクーラーを置いた場所は
埼玉県南部の都市部、
自宅の南向き2Fテラスです。
第1日・8月11日