すぐできる自由研究・メントールって何? ハッカ水の賢い作り方を自由研究で[2] ~虫対策Part 4-2.~

eco2house

2018年08月16日 21:37

ハッカ水の賢いつくり方を自由研究のテーマに

…の第二弾です。

目次を示しておきます

1.はじめに

2. ハッカ水のリーズナブルな作り方
2-1. 使用する材料と手順
2-2. 混合する手順

3. 使用する材料についての考察

3-1. エタノールについて
3-2. メントールについて


ここまで前記事。


3-2-1.「ハッカ油」とその主要香気成分メントールの「素性」
3-2-2. メントールの安全性と、食品添加物について

ここまで今回の記事up。

これ以下は第三弾をお待ちください。

3-3.水について
3-3-1. 「ミネラルウォーター」、「天然水」の不思議
3-3-2. 「天然水」という不思議な水
3-3-3. 「おいしい水」とは?  ~超マズイミネラルウォーター「コントレックス」の価値~

では始めます!



**********

3-2. メントールについて




3-2-1.「ハッカ油」とその
    主要香気成分メントールの「素性」




ハッカ油とは、公式には、

薄荷(Japanese peppermint)

…から水蒸気蒸留という手法で、

香気成分となる精油

(エッセンシャルオイル)を抽出したものです。



ただし、ネット販売しているハッカ油には、

「成分・和種ハッカ/ジャパニーズミント」

…と表示しておきながら

商品名に「peppermint oil」

なんていう記述があるものもあって、
(ぺパーミントは洋種)

「天然物」にこだわると、ホンモノ

かどうかの見極めは結構困難です。



現在出回っている「ハッカ油」の大半が、

輸入ミントオイルではないかとも思われます。



もっとも、ジャパニーズミント、

ペパーミントに含まれる主成分の

「メントール」には、

何の違いもありませんが…。



ただ、その他の成分、

「不純物」の組成は異なるでしょう。



それが「種」の個性となっています。



しかし私がご提案するハッカ水の作り方は、

いずれにしろハッカ油は使わず、

その中に30%ほど含まれている

主成分であり、安価に購入できる

メントールクリスタルを使う方法です。



ここで誤解がないように

申し上げておきますが、

メントール(純物質)の香りと

ハッカ油(精油・混合物)の

香りは異なります。



ハッカ油には、

ジャパニーズミントの香気成分を形づくる、

多種多様な構成物質が

含まれているのですから…




しかし、「虫除け」という

使用目的に限って言えば、

ハッカ油の主要香気成分である

メントールを使っても、

問題はないと思います。



メントールの結晶は

「ハッカ脳」「メンソールクリスタル」

という名称で市販されています。




結論として、虫よけの「ハッカ水」には、

「ハッカ油」を使うより、

はるかにリーズナブルです。



メントールの結晶は、

試薬一級(98%)でも

販売されておりますが、

その組成(不純物の種類や濃度)

を明らかにしている(保証している)ため、

高価です。




しかし、同じ98%程度の濃度でも、

食品添加物として販売されているものは、

はるかに安価で購入できます。



ただし、そのメントールは

合成されたもののようです。


むろん、天然のメントールも

合成されたメントールも、

同じ物質ですから、

全く問題はありません。



ただし、「生活の木」の「薄荷脳」

日本産の薄荷を水蒸気蒸留した

精油(エッセンシャルオイル)から

得ているので、

高価になっているのだと思われます。



安価なものは、

日本製と表示していても、

その素性は明らかではありません。



日本産の薄荷(ジャパニーズミント)を
日本で水蒸気蒸留した精油から
日本でメントールを分離した

日本産の洋種ミントを
日本で水蒸気蒸留した精油から
日本でメントールを分離した

外国産(輸入品)の各種ミントを
日本で水蒸気蒸留した精油から
日本でメントールを分離した

外国より輸入したミントオイルから
日本でメントールを分離した

日本で合成したメントールの結晶

…など、様々な可能性が考えられます。



ただ!! 

このいずれであっても、

メントールの結晶であれば、

その純度が高いので、

安価なメントール結晶でも

まったく問題はありません。



「国産」「天然物」…に

こだわるのであれば
(こだわる必要なないと思いますが)、

お気を付けください!!…という意味です。



自由研究ネタとしては、

この「国産問題」などは、面白いところです。



「国産牛」とは何か…なんて調べると、

たぶん唖然とするのではないでしょうか。




3-2-2.メントールの安全性と、食品添加物について



このことについて調べるだけでも、

自由研究のテーマになりえます。



アフローチは二方向から。



ひとつは文献調査。

web検索でアタリをつけて、

図書館の司書さんに相談しましょう。

ちゃんとした本(文献)を

紹介してくれなかったら、

紹介できる、優秀な司書さんを

探すことが大切です。



司書さんについては

東洋経済新報の記事をご覧ください。



また、webでは、

「食べられるハッカ油」

「食べられないハッカ油」の

区別があるようですが、

食品添加物という表示は、

厚生労働省がその使用を認め、

表示を許可している…という意味です。

厚生労働省は、
食品添加物の安全性について
食品安全委員会による評価を受け、
人の健康を損なうおそれのない場合に限って、
成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、
使用を認めています。

また、使用が認められた食品添加物についても、
国民一人当たりの摂取量を調査するなど、
安全の確保に努めています。


つまり、蚊取り線香に

「防除用医薬部外品」という表示があり、

適用昆虫にブヨ、アブがなくても、

殺虫または忌避効果があるように、

食品添加物表示がないからといって、

「食べられないかどうか」は別問題です。



メントールの濃度が高すぎれば

危険性は出るし、

生活の木の、メントール60%濃度の

「薄荷精油」を

肌に直接塗るだけでも

刺激が強すぎるでしょう。



そして、厚生労働省のwebには

次のような記述もあります。



日本で使用が可能な添加物は、
指定添加物、既存添加物、
天然香料、一般飲食物添加物です。



ですから、「食品添加物」は

その安全性が確認されている物質で、

天然物も多い。



世間一般に誤解があるため、

このような、「食品添加物」について

文献調査するだけでも、

「社会科学的な自由研究」になるのではないかと思うのですが、

小中学校の先生方、いかがでしょうか?



食品添加物=体に悪い毒

だから、それが入っている食品は

食べちゃダメ!! 

…なんていうウソに騙されている方は、

厚生省食品化学情報のリストを見ると、
http://www.ffcr.or.jp/shokuhin/1998/05/B949AEF970492F0B4925684600083647.html?OpenDocument

ビックリするかもしれません。



食べられるものがなくなっちゃいますョ。



まぁ、もっとも、食塩でさえ、

50kgの体重の方の

LD50(半数致死量)は200gほどですから、


そういう意味では食品添加物も

「毒」(!?)かもしれませんが…

http://www.ffcr.or.jp/shokuhin/1998/05/B949AEF970492F0B4925684600083647.html?OpenDocument



ちなみに、上記webサイトの

「ハッカ」の基原物質名、

コーンミントとジャパニーズミントとなっています。


「ハッカCorn-mint, Japanese mint」



コーンミントとは、

ヨーロッパからアメリカに

帰化したミント類の総称です。
 


また、メントールの急性毒性(経口)は、

そのSDS(Safety Data Sheet安全データシート)

…によると以下の通り。

 [日本公表根拠データ]
 rat LD50= 2426~2615mg/kg(SIDS, 2004)
http://junsei.ehost.jp/productsearch/msds/75240jis.pdf



体重50kgの人間に換算すると、

125gほど。



それを一気に飲むと、

統計的には半数の方が

お亡くなりになる…という数値です。



「生活の木」のハッカ油の成分量は

メントール60%ほどです。



食品添加物の表示はありません。



でもその素性は、

最も信頼できると私は考えます。


成分分析値を公開し、

使用しているジャパニーズミントの品種

「ホクト種」まで表示しているのですから…



ただ、「ホクト」とは、

「ニホンハッカにオランダハッカと

ブラックペパーミントを交配した品種」

…であるという情報もあります。



《…to be continued…》



*********



ご訪問ありがとうございました!!



◆次回予告◆

3-3.水について
3-3-1. 3種類の「ミネラルウォーター
3-3-2. 「天然水」という不思議な水
3-3-3. 「おいしい水」とは?  
    ~超マズイミネラルウォーター
     「コントレックス」の価値~


ディートやイカリジンなど、

忌避剤として

医薬品・防除用医薬部外品のものもありますが、

自由研究の題材としては取り扱いが難しいので、

後日、機会があれば…



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