2020年05月06日 19:23
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××建設社長 〇〇様
ご相談いただいた現場でのコロナウイルスの「除菌」ですが、
〇〇さんが、知り合いの方からご助言のあったハイターを
手指の除菌に用いるのは、
リスクがあります、
時間をかけて作成したものではありませんが、
つくった資料を添付いたしますのでご活用ください。
今後とも宜しくお願いいたします。
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[1] 次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)の危険性
1. ハイターには水酸化ナトリウムという
強塩基性物質が含まれる。
手指につけると危険!!。
2. 主成分の次亜塩素酸ナトリウムは、
簡単に分解して毒性のある塩素を発生する。
1.について
液性が強塩基性(アルカリ性)の水溶液は、
たんぱく質を分解する作用があります。
したがって次亜塩素酸NaOClの水溶液を手や指につけると、
皮膚表面のタンパク質を分解するため、ぬるぬるします。
目に入ると角膜を分解し、失明の恐れがあります。
基本的に、手指の「消毒」には用いるべきではありません。
ただし、濃度に注意して希釈すれば、
その「次亜塩素酸ナトリウム液」は新型コロナウイルスにも有効です。
目黒区のHPに詳しい記述があります。
また、適正な濃度に希釈したものは、
アンチホルミンという商品名で食品添加物(漂白剤)としても
扱われています。
また歯科用治療薬剤の一つでもあります。
…おっと横道に話がズレました…
2.について
亜塩素酸ナトリウムの水溶液は、
高温・紫外線などで容易に分解して
毒性が高い塩素ガスを生成します。
塩素は、第一次大戦で、
ドイツ(ナチスではなく)がヨーロッパ戦線の対イギリス戦で、
史上初めて用いた毒ガス兵器。
酸(例・サンポール塩酸製剤)と混合すると
さらに激しく塩素ガスを発生し、大変危険です。
[2] 不活効果の高い合成洗剤について
国立感染症研究所感染症情報センターが
リリースしているSARSウイルスについての情報を
ご紹介します。
なお、SARSコロナウイルスと
新型コロナウイルス(2019-nCoV)は共に
エンベロープと呼ばれる
脂質からできた二重の膜を持っており、
かなり多くの共通点がありますので、
SARSの情報は新型コロナにも適応できると考えられます。
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/sars03w/index.html
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★国立感染症研究所
感染症時用法センターwebより引用…
最近になって、
(注・SARSウイルスが問題になっていた2003/12/18現在)
台所用合成洗剤がSARSコロナウイルスの処理に効果が高いことが
実験的に確認され、家庭などでの消毒としての選択肢が増えた。
消毒に関しての要点は以下の通りである。
1:家庭などで使用する際の一般的な消毒薬としては
下記のいずれかが推奨される。
(1) エタノール(70~80%)
※注・北里大学の研究によって、50%でも効果があるという出たが得られている(eco)
(2) 界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)
「おおむね1リットルのぬるま湯に対して
5~10cc程度以上の台所用合成洗剤*を加えたもの。」
効果が確認されているのは食器・野菜洗浄用の家庭用合成洗剤であり、
成分として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(略称・LAS)
もしくはアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを16%以上含むもの。
…略…
4: 消毒剤を噴霧することにより、
ウイルス等が空気中に舞い上がる可能性が否定できないため、
消毒にあたっては可能な限り清拭することが望ましい。
また、消毒剤が長期間残留するほど効果があるため、
唾液、体液などの汚染のある場所には、
それらの十分な清拭とともに、
消毒剤を用いて2度拭きすることや、
界面活性剤の場合では、界面活性剤に浸した
ティッシュペーパーなどで汚染された場所を覆い、
5分程度以上経過したあとで
から拭きするなどの対応も効果的であると思われる。
…略…
6: エタノールについては引火性があることから、
大量に使用する場合には界面活性剤の使用が推奨される。
7:台所用合成洗剤を溶かす場合は冷たい水よりも、
温度が高い方がより効果的であると考えられている。
(引用ここまで)
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友人の建築会社社長に送信したのは
おおむね、以上のような内容でしたが、
この国立感染症研究所感染症情報センターのwebより、
いま、新型コロナウイルスについても同様に考えられる
有効な方法についての記述を
さらに抜粋してご紹介します。
でも、以下のことを
を完全に行うのは、
かなり困難…と思われます。
新型コロナはSARSより感染性が高い
…ということは、ほぼ明らかなので
やれることはやっておく…というスタンスで
私は臨みたい。
なお、要約部分も読みたい場合は、
リンク先をご覧ください。
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/sars03w/index.html
★★家庭、職場などでの一般的な消毒方法について★★
※最初に補足します。界面活性剤とは、
洗剤の成分のことだと考えて差し支えありません。
(ここより引用)
●居間・食事部屋
【対象】ドアノブ・窓の取手・照明のスイッチ・ソファー・テーブル・椅子
電話機・コンピュータのキーボードとマウス・小児の玩具・床・壁など
【方法】界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)に浸した雑巾で2度拭きする。
● 台所
【対象】食器、箸、調理器具
【方法】以下のいずれかの方法
・界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)に
5分以上浸した後、通常の洗浄を行う。
・80℃以上の熱湯に10分以上浸したあと、
通常の洗浄を行う。
・80℃以上の熱水洗浄をする。
【対象】ダイニングテーブル・流し台・壁・床
【方法】界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)に
浸した雑巾で2度拭きする。
●浴室
【対象】水道の蛇口・シャワーヘッド・浴槽・洗面器・ドアノブ
窓の取っ手・照明スイッチ・排水溝・壁・床など
【方法】界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)に浸した雑巾で2度拭きする。
● トイレ
【対象】水洗便器と流水レバー・便座とフタ・汚物入れ
【方法】流水レバー、便座、フタについては
界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)
に浸した雑巾で2度拭きする。
便器の内側については界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上、
またはやや濃い目の溶液)を用いて、
トイレ清掃用のブラシ
(取っ手付きスポンジブラシなど)を用いて
飛び散らないよう丁寧にこする。
フタをして5分以上経過してからフタをしたままフラッシュする。
使ったブラシは界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上、
またはやや濃い目の溶液)の中に
5分間以上漬けておく。
●その他
衣類・寝具
【方法】
(1)SARS患者あるいは疑似症患者が使用した
衣類や寝具については、
界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)に
5分以上浸してから洗濯機にかける。
(2)80℃以上10分間以上のお湯につけるなど熱水洗濯を行う。
●職場や集合住宅の共用部分
現在のところ建物全体や近所の家などに対して
特別な消毒は必要ないと考えられるが、
以下の共用部分など
SARSが疑われる患者の手が触れた場所や、
喀痰などが付着している
可能性のある場所については
清掃・消毒を行うことが推奨される。
【対象】
・エレベーター(昇降機)あるいはエスカレータ
特にエレベーターの呼出しボタン、
停止階ボタン、エスカレータの手摺り部分
・建物への出入り口
建築の入口にあるドアノブやハンドル、
セキュリティ対応のオートロックボタンなど
不特定の人が触れる部分。
・ 共用のトイレ、給水場所など
【方法】界面活性剤をぬるま湯に溶かしたもの
(台所用合成洗剤として濃度0.5%以上)に浸した雑巾で
2度拭きする。
トイレについては上記の「トイレ」の項目を参照のこと。
以上です。
長文、失礼しました。
これから、在宅勤務の残務を片付けます。
では今回はこのへんで失礼します。