その信念に共感できる友に

eco2house

2020年11月20日 19:52




ある方から
とても美しいサツマイモをいただいた。


でも、こうして芋だけを見ていると、
普通の芋…だな。


スキレットでじっくりと時間かけて
超弱火で1時間かけて焼いて食べたら、
極上の味!!


だけど一緒に食べた妻や息子にとっては、
「とってもおいしいサツマイモ」に過ぎない。


俺にとっては
とっても大切な意味のある、
「おいも」…なのだけれど…


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この、とてもキレイな芋は、
その信念に共鳴できる方からの
プレゼントである。


余分な時間のない忙しい毎日を
過ごしていらっしゃる…


いや、自分たちで新たな課題を見つけて
わざわざ苦労しているのだ。


否、苦労とは
思っていないのだろう。


仕事をしている姿が、
羨ましいくらいに
とてもいきいきとして、
楽しそうなのだ。


彼らの仕事は、
サービス業ともいえるが、
その本質は、
「良質な時間と空間」をつくって提供する、
製造業ではないかと感じている。


だから、信ずることであれば、
「客」に媚びて
譲るべきではないと、俺は思う。


そんな彼が貴重な時間を使って、
自らの畑でつくった作物であることに、
価値を感じた。



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約1時間、じっくりと加熱して、
楊枝がスッ…と刺さるようになった。



サツマイモの中から
浸みだした少量の汁、
そこに含まれる糖とアミノ酸の
メイラード反応による
甘い香りが鼻孔をくすぐる。


FINEX
 キャストアイアンスキレット
…の鋳鉄の厚さは
なんと6mmもある。


重くて、とてもフライパンのように
「振る」ことはできないが、
高い熱容量を誇り、
メタンガスの
燃焼によって生じるエネルギー
いわゆる燃焼熱による直接加熱より、
遥かに穏やかな化学変化を
イモの内部で起こさせているんだ。


彼の本業ではない労働による成果。


「おすそわけ」していただいたそれは、
とてもおいしく、
かけがえのない味がした。



彼らとは、コロナの吹き荒れる、
令和二年の秋に出会って、
まだ幾ばくも、経ってはいない


時々、ふと人間関係について
考えるときがある。


毎日顔を合わせ、
仕事に限らず色々なことを話し、
交流する中で
気の合う仲間…と感じる人…


たまにしか合わなくても、
その考えに共鳴し、
尊敬すらできる、
人間関係となる人…


「友」とは、何だろうか。


年齢、性別、立場、性格、
そして様々な価値観…


今、どのような立場であっても、
「互いの生き方」に
何らかの前向きな影響を
与え合える人、
必ずしも同じ環境にいなくても、
その生き方に共鳴できる人は
「友」なのではないだろうか
…と思う。


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数年前、同じ職場で
同じプロジェクトを担い、
いまは他のフィールドで奮闘する、
年下の「仲間」がいる。


彼は俺のことを、
友とは思っていないかもしれない。


猪突猛進型で、
新たなフィールドにも
飛び込んでいくタイプの俺の後ろで、
落穂ひろいのように、
残してしまった事柄をフォローし、
後ろからの攻撃を防いでくれていた。


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また、
「一生の付き合いだからね!」
「私は上司だけど同志」
…と、危ない位置に立ってしまった俺を
上の立場から、擁護してくれた
同い年の女性管理職…


恩人と思うことはあっても、
なかなか「友」とは思えないけど、
そう思いたい。


そろそろ、それができる歳になる。


彼女は今、組織のトップにいて、
日々周り中からの評価と批判の目に
晒される立場にいるのだ。



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我が家、
私たち夫婦の生きる「巣」である
ECO2HOUSE 2001を、
ともに作り上げてくれた同志、
建築会社の社長もまた、
大切な友の一人である。


俺も妻も、自分たちを
彼らの「客」とは思っていない。


「巣づくり」の実務的パートナーとして
彼らに出会い、選んだのである。


「小さな約束を守れない人に
 大きな約束が守れるはずがない」


先代の社長のこの言葉で、
彼らに俺たちの夢を
託すことに決めた。


建築の、ある分野の
応用技術について
確実に儲かるアドバイスをしても、
若い社員たちが「是非!!」といっても、
彼は首を縦に振らなかった。


それに必要な「もの」に、
つまらない付加価値をつけて
原価の100倍もの価格をつけて
偉そうに「エコ」の接頭語をつけて
ボロもうけをしている業者がいても…

「本業とは言えないことで
  儲けようとは思わない」…


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友と思っているのは
俺の方だけ…
という意味では、
下記関連記事で紹介した
酒造会社の専務、
いや、専務と呼ばないと
返事をしなかった社長もだ。


★関連記事
2017/07/09


ECO2HOUSE 2001の「上棟式」
…という職人さんたちの「祭」に、
とっておきの
純米吟醸酒生酒300mLの
青い小瓶「春のかおり」(非売品)を、
乾杯用にと、
24本もプレゼントしてくれた。


上棟式は、職人の祭り。


だから、「施主」である建主が、
ご祝儀を出す。


でも、俺は建築会社のスタッフも、
その職人さんたちも、
「ECO2HOUSE2001プロジェクト」
…に関する限り、
「仲間」でありたかった。


だから、「施主」かなり施しとして
「お金」を出すのではなく、
とっておきの価値がある、
純米吟醸酒、
「小鳥のさえずり」の一升を、
ともに無事に竣工することを祈る
お清めの御神酒…として出したのだ。


乾杯の時、
専務からいただいた
純米吟醸生酒
「春のかおり」300mLを
皆があおったとき、
図らずも上がった
「こらぁ、うめーや!!」の声。


後に専務に伝えたら、
「そりゃ、当たり前だろ!」といって…


その時の、
はにかんだような笑顔が
忘れられない。


彼が出張先のフランスで倒れ、
急逝したとの知らせに接したのは、
2017年の春だった。


直売所で販売するに値する
…と彼が信ずるものは、
無名であっても、いや、
名声に関係なく、取り扱う。


たとえそれが
ライバルである
日本酒であっても、
焼酎、醤油、味醂であっても
その中の一つ。


ある酒造で、
後を継ぐ方が醸した酒
(二場制の別ブランド)を、
毎月、一本、
購入することにしている。


体調の関係で、
そんなには
飲めないのだけれど…


神亀酒造の誇る、
ひこ孫大吟醸
…の酒粕と共に…



************


おっと、またまた話が
By the way…に。



では今回はこのへんで失礼します。



ご訪問ありがとうございました!



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