2020年10月15日
霧雨に煙る暗い森を照らす、オイルランタンの灯 ~まどろみが似合う雨のキャンピングベースにて[1]~
早朝、まどろみの森の中に、
夜通し穏やかなひかりを
放ち続けたオイルランタンが見える。
朝を迎えて、森の中が
ほのかに明るくなってきても、
まだ点々と、
その存在を示している。
これは、俺のサイトの
ランタンではない。
ランクル70と共に
一夜を過ごしたのは、
中央右寄りの森の中、
画面右側、真ん中あたりの、
あかりの奥である。
前夜、暗くなる前に、
オーナーが、
フィールドの要所に、
足元を照らす照明として
オイルランタンを
設置してくれているのだ。
************
前夜、暗い森の中…
こんなランタンが
森の中に点々と灯る。
無作法な行為とは承知で、
ストロボを焚かせてもらう。
FEUERHANDの
ベイビースペシャル 276
…だろうか。
サイトに近いところには
別のランタンが…
写真の中心が外れている。
ランタンの左後ろには、
実は、暗くて見えないけど、
森の樹の幹が写っているのだ。
ちょっと修正してみた。
ボーッと、ランタンの後ろに
樹の幹が見えた。
頻繁にストロボを焚くと、
キャンパーだけでなく、
この森に棲むものたちを
驚かせる。
朝になってからもう一度、
ランタンを見てみることにした。
銅と亜鉛の合金、Brassが渋く輝く、
ステキなコだった。
細かい細工が
ハンパない美しさだ。
ただ、ちょっと調べてみたけど
どこの誰なのか、
素性がわからない…
ただ、どこぞの名門旧家の
ご令嬢とお見受けした。
ランタン沼の住人さん!!
誰か、このコの素性、
教えてくださいませんか??
************
このサイトは、
後ろに「裏山」がある。
ゴルゴ13ではないが、
背後が守られていると
なんだか安心だ。
…しかし、ここの場合、
こんなものが山の斜面に
敷き詰められているのが
ちょっと気になる。
そして、
そのほとんどの栗のイガに
中身がない。
また、サイトにも点々と
中身のない
栗のイガが存在するのだ。
たぶん、森の住人のどなたかが、
「収穫」なさっているのかな。
そして時々、斜面を、栗のイガが、
転がり落ちてくる…
もうすでに、イガは一つも
栗の樹の枝には、
ついていないのにも関わらず…
夜、もう寝ようと
ルーフテントのラダーに
足をかけた時にも、
裏山の奥から、
イガが、ころがり落ちてきた。
ラダーに足をかけたまま、
しばらくフリーズして、
気配をうかがってみても
イガを転がしているヌシの姿を
直接、感じることはできなかった。
************
時折、細かな雨が、
木の葉の表面でひとつになり、
大粒の雨粒になって落ちてくる、
そんな雨が降る夜が明けた。
雨はほぼ止んだので、
土が滑る、裏山に登って、
サイトを見下ろしてみた。
まだ朝の早い時間、
微睡(まどろみ)の森は、静かだ。
朝、6時過ぎ、
まだオイルランタンは
静かに輝いている。
リアタープとして張ってあるのは、
ニュージーランドのタープ、
Zempire Shade Awning Tarp
(ゼンパイア シェードオーニングタープ)
★参考過去記事
このタープ下で、
焚火をすることを考えたのである。
だから、設営がちょっと特殊。
このことについては、
また別記事で…
************
徐々にサイトが明るくなる。
料理に使おうと思って
自宅ハーブガーデンから摘んできた
フレッシュハーブのブーケがきれいだ。
ブーケにして
日が当たらないように
気をつければ、
2日ほどは持つことが
わかったのである。
でも、雨の設営で時間を要し、
昨夜のディナーのメインは
ハーブのいらない、
具沢山で、うま味たっぷりの
トマトコーンスープだった。
この件は別記事で…
明るくなってから、
もう一度、撮り直してみた。
ピンク色のレッドセージが映える。
************
ところで俺は今回、
実はもう一泊する予定だった。
天気予報では今日、
金曜日は曇りだが、
明日の土曜は
台風の影響でかなりの雨予報。
(結局、雨が降り出して、この日の夕方に撤収)
そんな中、
撤収したサイトを「整備」する、
オーナー夫妻の姿があった。
ブロワーで落ち葉をブッ飛ばし、
レーキで小砂利を整える。
過去記事で、俺は
「枯山水のよう」
…と表現した。
でも、オーナーご本人は、
「甲子園の…」
…と、自らを野球場の、
グラウンドキーパーに例えられた。
★関連過去記事
奥様は丁寧にゴミを拾っている。
長い時間、下を向き、
サイト自身と向き合われていた。
ここは、
美しい天然林を創る広葉樹たちの、
atmosphere(アトモスフィア≒雰囲気)が
とても居心地のよい、
キャンプフィールドである。
でも、それは決して、
天然林をそのまま
ほったらかしにして、
できるものではない。
途方もなく手間のかかることを
「こうあるべき」と信ずる方法で、
創り上げている、
オーナー夫妻の「作品」なのだと思う。
そう。
この森には通路の舗装もなく、
明るいLED照明もない。
だから、手の入っていない森だと
思ってしまいがちだけど、
実は、「究極の人工林」
…ではないかと思っている。
この幻想的な
オイルランタンのひかりだって、
電線を配線して…、
イヤ、バッテリーのでも、
LEDライトにすれば、
もっと明るくて経済的だし、
手間も、全くかからない。
でもそれじゃ、ダメなんだ!
…という、オーナー夫妻の声が
聞こえてくる気がする。
LEDの灯は明るすぎて、
暖色の光であっても無機質で、
俺は苦手である。
ルーフテントへ持ち込む、
EX-V777D、
1台だけは持っているけれど…
そんな、ある意味、
「変わり者」である自覚を持った、
俺みたいな「にんげん」には、
ここのatmosphereには、
DNAの二重螺旋に共鳴するような
親近感を感じるんだ。
************
ところで、
俺たち夫婦は、
大学生時代に知り合った。
それからもう、早いもので、
三十数年の月日が流れている。
お互い、自分の仕事に
誇りを持って取り組み、
尊敬しあっているけれど、
専門分野(field≒領域)は、
全く異なる。
そんな俺が、
オーナー夫妻の仕事ぶりを、
ふと垣間見た時、
とても羨ましく感じた。
文字通り、同じフィールドで、
日々、お互いを必要としあって
信念のある仕事、
「静かで美しい微睡の森」という作品を
創り続けているのだ。
俺も、妻への
感謝を忘れずに
これからの「時」を
生きていこうと思った。
************
では今回はこのへんで。
ご訪問ありがとうございました!
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この記事へのコメント
こんばんは(・ω・)
>ランタン沼の住人さん
(笑
こちらの方々ならすぐに答えを教えていただけそうですね(*´艸`)
場内の常夜灯にオイルランタンなんて素敵ですね
真っ暗闇では利用者さんが不便、かといって電灯は無粋だし森の生き物に申し訳がない、なんてオーナーさんの思いがこれだけでもわかる気がします
だからといって自然に任せるのではなく管理すべきところはしっかりとする
「究極の人工林」、古き良き里山の管理に近いものがあるのかもしれませんね(*´ω` *)
>ランタン沼の住人さん
(笑
こちらの方々ならすぐに答えを教えていただけそうですね(*´艸`)
場内の常夜灯にオイルランタンなんて素敵ですね
真っ暗闇では利用者さんが不便、かといって電灯は無粋だし森の生き物に申し訳がない、なんてオーナーさんの思いがこれだけでもわかる気がします
だからといって自然に任せるのではなく管理すべきところはしっかりとする
「究極の人工林」、古き良き里山の管理に近いものがあるのかもしれませんね(*´ω` *)
Posted by いたち at 2020年10月15日 19:32
こんにちは。
オイルランプの素性ですが、オランダのデン・ハーのものです。
オイルタンクの底に刻印があるのを現地で確認シマシタ ^^
にしてもまた行きたいですなぁ・・・
オイルランプの素性ですが、オランダのデン・ハーのものです。
オイルタンクの底に刻印があるのを現地で確認シマシタ ^^
にしてもまた行きたいですなぁ・・・
Posted by GRANADA at 2020年10月15日 19:34
◆いたちさん こんばんは。
>ランタン沼の住人さん (笑
>こちらの方々ならすぐに答えを教えていただけそうですね(*´艸`)
ハイ! 早くも ⤵ のように、答えをいただきました!!
>場内の常夜灯にオイルランタンなんて素敵ですね
手間とコストがかかるんですけどね。
さすがです。
>真っ暗闇では利用者さんが不便、
>かといって電灯は無粋だし森の生き物に申し訳がない、
>なんてオーナーさんの思いがこれだけでもわかる気がします
粋…だと思います。
>だからといって自然に任せるのではなく管理すべきところはしっかりとする
>「究極の人工林」、古き良き里山の管理に近いものがあるのかもしれませんね(*´ω` *)
なるほど。
里山の管理、確かに日本農業の様々な伝統的な方法が
たくさん詰め込まれた技術ですものね。
>ランタン沼の住人さん (笑
>こちらの方々ならすぐに答えを教えていただけそうですね(*´艸`)
ハイ! 早くも ⤵ のように、答えをいただきました!!
>場内の常夜灯にオイルランタンなんて素敵ですね
手間とコストがかかるんですけどね。
さすがです。
>真っ暗闇では利用者さんが不便、
>かといって電灯は無粋だし森の生き物に申し訳がない、
>なんてオーナーさんの思いがこれだけでもわかる気がします
粋…だと思います。
>だからといって自然に任せるのではなく管理すべきところはしっかりとする
>「究極の人工林」、古き良き里山の管理に近いものがあるのかもしれませんね(*´ω` *)
なるほど。
里山の管理、確かに日本農業の様々な伝統的な方法が
たくさん詰め込まれた技術ですものね。
Posted by eco2house at 2020年10月15日 20:20
◆GRANADAさん こんにちは。
>オイルランプの素性ですが、オランダのデン・ハーのものです。
>オイルタンクの底に刻印があるのを現地で確認シマシタ ^^
デンハーロッテルダム社のTRAWLER LAMPですね!
こんなに早く「正解」をいただけるとは有り難いです。
>にしてもまた行きたいですなぁ・・・
いつかもしご一緒できたら、
神亀酒造の逸品をごちそういたしますね。
>オイルランプの素性ですが、オランダのデン・ハーのものです。
>オイルタンクの底に刻印があるのを現地で確認シマシタ ^^
デンハーロッテルダム社のTRAWLER LAMPですね!
こんなに早く「正解」をいただけるとは有り難いです。
>にしてもまた行きたいですなぁ・・・
いつかもしご一緒できたら、
神亀酒造の逸品をごちそういたしますね。
Posted by eco2house at 2020年10月15日 20:21
おはようございます。
ここは…アソコですね(笑)
人気過ぎてまだ一度も行けたことがありません。平日なら空いてるんだけどなー
文体もいつもと変わってることからして、相当良いキャンプをしてきたとお見受けしました(笑)
森の住人気になりますね(;゚Д゚))))
熊…猿かな?
ここは…アソコですね(笑)
人気過ぎてまだ一度も行けたことがありません。平日なら空いてるんだけどなー
文体もいつもと変わってることからして、相当良いキャンプをしてきたとお見受けしました(笑)
森の住人気になりますね(;゚Д゚))))
熊…猿かな?
Posted by Egnath at 2020年10月16日 08:14
◆Egnathさん おはようございます。
>ここは…アソコですね(笑)
ハイ。「うたた寝し続けたくなるフィールド」…です。
>人気過ぎてまだ一度も行けたことがありません。
>平日なら空いてるんだけどなー
そうですね。
キャンプ行きますか 仕事 やめますか
…の境地ですね。
>文体もいつもと変わってることからして、
>相当良いキャンプをしてきたとお見受けしました(笑)
ありがとうございます。
コメ返しているようなときの丁寧な言葉遣いは、
つぶやくようなときには必要ないかと思ったのです。
気分に応じて変えていくつもりです。
ここはとても、居心地がいいと思います。
ただ、お風呂はないし、
もちろんお子様向けの遊具などもありません。
>森の住人気になりますね(;゜Д゜))))
>熊…猿かな?
たぶん、タヌキやハクビシン…などの
小動物系ではないかと
オーナーはおっしゃっていました。
イノシシや熊じゃなきゃ、
姿を見たいです。
>ここは…アソコですね(笑)
ハイ。「うたた寝し続けたくなるフィールド」…です。
>人気過ぎてまだ一度も行けたことがありません。
>平日なら空いてるんだけどなー
そうですね。
キャンプ行きますか 仕事 やめますか
…の境地ですね。
>文体もいつもと変わってることからして、
>相当良いキャンプをしてきたとお見受けしました(笑)
ありがとうございます。
コメ返しているようなときの丁寧な言葉遣いは、
つぶやくようなときには必要ないかと思ったのです。
気分に応じて変えていくつもりです。
ここはとても、居心地がいいと思います。
ただ、お風呂はないし、
もちろんお子様向けの遊具などもありません。
>森の住人気になりますね(;゜Д゜))))
>熊…猿かな?
たぶん、タヌキやハクビシン…などの
小動物系ではないかと
オーナーはおっしゃっていました。
イノシシや熊じゃなきゃ、
姿を見たいです。
Posted by eco2house at 2020年10月16日 08:28
幻想的な風景
こんにちは~
知らず知らずのうちに記事中に引き込まれてしまいました^m^
オーナー夫妻の「おもてなし」の心が訪れるキャンパーさんを惹き付けてるのだと思いますね
あ~行ってみたいけど 日本の東しかも外れに住む者には遠い様な気がします
こんにちは~
知らず知らずのうちに記事中に引き込まれてしまいました^m^
オーナー夫妻の「おもてなし」の心が訪れるキャンパーさんを惹き付けてるのだと思いますね
あ~行ってみたいけど 日本の東しかも外れに住む者には遠い様な気がします
Posted by INAKAZIZI at 2020年10月16日 11:28
◆INAKAZIZIさん こんにちは~
>幻想的な風景
>知らず知らずのうちに記事中に引き込まれてしまいました^m^
ありがとうございます。
一番熱心な読者であり批評家である妻には、
相変わらず長いよ…と注意されているんですが、
読んでいただけてうれしいです。
>オーナー夫妻の「おもてなし」の心が
>訪れるキャンパーさんを惹き付けてるのだと思いますね
そうだと思います。
それを実感して、
そこで得た思い出を
大切にしていきたいと思います。
>あ~行ってみたいけど 日本の東しかも外れに住む者には遠い様な気がします
あ~ッ!!
…私も北海道のINAKAZIZIさんのホームフィールド、
いつか行ってみたいなぁ!
>幻想的な風景
>知らず知らずのうちに記事中に引き込まれてしまいました^m^
ありがとうございます。
一番熱心な読者であり批評家である妻には、
相変わらず長いよ…と注意されているんですが、
読んでいただけてうれしいです。
>オーナー夫妻の「おもてなし」の心が
>訪れるキャンパーさんを惹き付けてるのだと思いますね
そうだと思います。
それを実感して、
そこで得た思い出を
大切にしていきたいと思います。
>あ~行ってみたいけど 日本の東しかも外れに住む者には遠い様な気がします
あ~ッ!!
…私も北海道のINAKAZIZIさんのホームフィールド、
いつか行ってみたいなぁ!
Posted by eco2house at 2020年10月16日 13:16